産地と私たち
100年つづく段々畑で、
ミヤモトオレンジガーデンの挑戦。
私たちの畑は、100年以上前に人が積んだ石垣の上にあります。先人が山を耕し、出てきた石を積み上げて段々畑をつくり、その一段ずつに樹を植えてきました。
八幡浜から佐田岬半島にかけての一帯は、西宇和と呼ばれます。愛媛の三大産地のひとつであり、農林水産祭の天皇杯を複数回受けた、日本で唯一の産地です。
その西宇和のなかで、みかんの御三家と呼ばれるのが、日の丸、真穴、そして川上。私たちの畑は、その川上にあります。
その川上は、四国の西のはし、佐田岬半島の付け根にあります。八幡浜の市街から山へ入った、宇和海に面した地区です。
みかんは、喜びや幸せを
届けることができる。
土地の条件
三つの太陽が作る、
最高品質のみかん。
川上の畑は、宇和海に向かって落ちる急な斜面にあります。平らな土地はほとんどありません。
空から降り注ぐ陽射し。海面が跳ね返す光。そして、石垣が照り返す光。愛媛の海沿いの産地で「三つの太陽」と呼ばれるものです。斜面に植えられた樹には、光が上からも下からも届きます。
段々畑には、もうひとつ利点があります。水はけです。急な斜面は水を溜めません。適度に乾いた状態が、みかんの味を濃くします。
そして、この斜面にはいつも潮風が吹いています。潮風をたっぷりと浴びた土壌は、ミネラルを含みます。その土が、樹を育ててきました。
三つの太陽、水はけ、そして潮風。この土地の条件がそろって、みかんの味は濃くなります。ただし同じ川上のなかでも一律ではありません。畑の場所によって、枝の位置によってさえ、味は変わります。
摘果へのこだわり
実を落とすほど、
味は濃くなる。
夏のあいだ、私たちは実を落としています。摘果という作業です。
木が実らせた分をぜんぶ育てると、養分が分かれて、一つひとつの味が薄くなります。残す実を選び、それ以外を落とす。そうして木の負担を減らし、残った実に養分を集めます。急な斜面を一本ずつ回り、手で見極めていく作業です。
落とすのは、まだ青くて硬い実です。かつては、そのまま畑に還していました。
いまは、摘み落とした青いみかんを工房へ運びます。伯方の塩とあわせ、時間をかけて熟成させると、「塩みかん」という調味料になります。ANAのファーストクラスの機内食にも使われました。
落とした実にも、行き先があります。
贈るということ
贈る人にも、
しあわせ、みかん時間を。
その塩みかんも、みかんジュースも、みかんの寒天ゼリーも、すべて自分たちの畑の実からつくっています。かたちを変えても、畑の味はそのままです。
贈り物は、選ぶところから始まります。誰に、どの品種を、どんな形で届けるか。迷っているその時間も、みかんが運んでくる時間のひとつだと思っています。
そして届いたあと、「おいしかった」と言ってもらえる。贈られた方だけでなく、贈った方にも、しあわせな時間が残ります。